加奈〜いもうと〜

細い線できれいなCGです。あまりアニメ系ではないですね。うまいです。

シナリオ

泣かせます。マルチエンディングですがシナリオの主役はすべて加奈一人です。
「病弱」「妹」。この2つのキーワードに弱い方はやるべきでしょう。期待通りの展開を見せてくれます。
けっこう重いです。

音楽

いいですね。静かな曲が多めです。物語の内容にも合ってると思います。
ただHシーンの時はそれなりの曲を作って欲しかった・・・

タイトルもいいですね。特に「I Can't Live Without Her」なんてタイトルでもう泣けます。

システム

普通のいわゆるビジュアルノベルシステムです。
ビジュアルノベルにかかせないメッセージスキップは一応備えています。
それと「巻き戻し」機能が付いていて、これは「1つ前の選択肢に戻る」と同じような機能です。このゲームに限ってはあまり意味のない機能だけど。

メッセージスキップが、選択肢を選んだ後に無効になってしまうのが気になりました。
いちいちスキップをするのがちょっと面倒。それからシナリオの都合上(すべて加奈シナリオのため)
同じ場面を何度も見ることになるんだけど、スキップが遅めなのでちょっと飽きるところもある。

エロ度

エッチな絵もあるんだけど、エロくはないねえ。しかし、ある意味かなりドキドキします。えっちな選択肢を選んだ後の加奈ちゃんの反応がかわいすぎ。って関係ないか。

鬼畜度

妹に欲情する道隆くんは鬼畜でしょう。
陵辱シーンとかは出てこないで、すべて合意の上でのシーン。

総合

非常に完成度の高い作品です。

少し整合性に欠けるところもあるけれど、それを補って余りあるシナリオのよさ。
6つのエンディングを通して、加奈の強さや弱さやを見ていくうちに、どんどん加奈世界に引き込まれていくでしょう。
加奈を「一人の女の子」として、その明るい部分、暗い部分、リアルな部分などしっかりと描き出しています。
絵も、シナリオにぴったりリンクして雰囲気を損ねることはありません。

おすすめです。

ネタバレな感想

「昨日はできなかったことが、今日はできたりするんだよ」

加奈の名言。「願わくば・・・」もいいけどこっちかな。

このゲームにはかなりやられた。あの「こくこく」と「ふるふる」にやられた!

加奈をただの儚い物として神聖視しないで、リアルな女の子として描こうとしているところはすごいなと思った。

加奈のトゥルーエンドは死ぬ方か生きる方かと言えば、俺は死ぬ方。生きる方のエンディングの方がシナリオが薄いもん。「移植」も、加奈に移植より加奈が移植の方が、加奈の成長が分かるし。
元気になるエンディングは、「ご都合主義でもいいから加奈が死なないエンディングが見たい」というプレイヤーの声を予想して作ったサービスだと思います。
「ベストエンド」言い換えればハッピーエンド。よってトゥルーエンドではない、ということです。このベストエンドに不満な人もいるようですが、上のように解釈すればよいのでは?
でも元気な加奈が見れてよかった〜。

気になったことはけっこうある。中でも一番気になったのは勇太。彼かわいそうすぎ。加奈に振られて道隆に殴られるためだけに存在してたのか?加奈と道隆の「おじゃま虫」役なだけなのか?
同じ立場でも夕美にはかなり救いがあるのに、勇太は殴られた後登場しないし、加奈とくっつくシーンもない。不憫なやつ・・・
美樹さんも、もう少しからんでくるかと思ったんだけど、彼女は看護婦という立場を貫き通したわけです。ちょっとすごいかも。
大穴が香奈。この子とくっついたらすごかったな〜。